信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、建築設計を手掛けるエイティーエス(東京都大田区、田中豊社長)が2月末に事業を停止し、4月に東京地裁より破産手続き開始決定を受けていたことがわかった。負債額は約1億7700万円。
同社は、2002年2月設立。当初はマンションや戸建て住宅の設計から施工、監理まで一貫して行うことを強みに事業を展開していた。その後、不動産の売買事業に乗り出して建築は設計のみを行うようになり、2019年8月期の売上高は約1億2600万円を計上していた。
しかし、不動産の売買事業において自社物件を抱えたことで借入金が増加し、予定していた利益を確保できずに資金繰りが悪化。近年は意匠設計業を主軸に据えて立て直しを図っていたが、2022年8月期の売上高は約8000万円まで落ち込んだ。こうした中、一部回収遅れも発生するなど資金繰りはひっ迫し、今回の判断となった。
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