LIFULL(東京都千代田区)が運営するLIFULL HOME’S PRESSはこのほど、物件データ・反響物件データを四半期・マーケットごとに公開している「LIFULL HOME’Sマーケットレポート」の概要編において、1~3月期の動向をまとめて発表した。首都圏のファミリー向き賃貸物件は、掲載賃料が11万1198円(前年比109.3%)、反響賃料が11万5662円(同104.7%)とともに上昇。近畿圏でも掲載賃料が7万9134円(同103.6%)、反響賃料が8万7741円(同103.2%)と上昇傾向にある。エリア別では、郊外で掲載賃料の上昇が継続。東京23区を除いた東京都下で8万9268円(前期比102.1%・前年比108.5%)、神奈川県が9万1874円(前期比101.7%・前年比107.9%)、千葉県が7万8793円(前期比103.5%・前年比109.6%)、最も上昇が顕著な埼玉県で7万8905円(前期比103.3%・前年比112.3%)となった。都心部の「東京23区」は2021年以降横ばい・下落基調だったが、17万5904円(前期比108.2%・前年比107.0%)と前期から1万円以上上昇した。
首都圏ファミリー向き中古マンションは、掲載平均価格が4151万円(前期比101.7%・前年比104.6%)で、上昇が続いた2021年と比較すると頭打ち傾向にある。反響平均価格も3245万円(前期比100.5%・前年比101.8%)とほぼ横ばいとなった。エリア別では、「都心6区」が掲載価格8352万円(前年比95.2%)、反響価格7303万円(同96.5%)と、前年に比べてともに下落した。郊外では上昇が継続しているものの、掲載価格と反響価格の乖離が拡大。東京都下の掲載価格は3301万円(同112.7%)・反響価格は2583万円(同105.7%)、神奈川県は掲載価格3331万円(同110.1%)・反響価格2526万円(同103.2%)、千葉県は掲載価格2815万円(同116.9%)・反響価格2075万円(同108.2%)だった。近畿圏では、掲載価格が2730万円(同105.4%)で安定して上昇が続いているが、反響価格は2248万円(同97.2%)とやや下落した。
首都圏の中古中古一戸建ては、掲載平均価格が3761万円(前期比98.5%・前年比106.7%)で、レポート計測開始(2021年4~6月期)以降初めて下落に転じた。反響価格は2428万円(前期比97.1%)で、2四半期続けて下落した。エリア別では、東京都が5812万円(前期比97.9%)、神奈川県が3674万円(同99.0%)で前期を下回り、埼玉県が2786万円(同100.6%)、千葉県が2658万円(同100.8%)とわずかに前期を上回った。
東京都の3月の転入超過はコロナ禍以前の水準に迫っているが、0~14歳では転出超過となり、ファミリー世帯の流出が現在も続いているとみられる。継続的な物価高やテレワークの定着により、受け皿となる郊外でファミリー向き物件の掲載賃料・価格の上昇傾向が継続しているが、同社は需要の高まりを期待した価格設定が行われている可能性があると指摘。また、首都圏の中古一戸建ては、掲載価格が下落に転じた。掲載価格動向の指標のひとつとなる反響価格も前期に続き下落しており、今後の動向を注視する必要があるとしている。
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