パナソニック(東京都港区)エレクトリックワークス社はこのほど、既存建物のZEB化リニューアルのモデルとして、同社京都ビルのZEB化リニューアルを実施した。
改修したビルは、「創エネ」「省エネ」「エネマネ」のエネルギーソリューションを取り入れた環境配慮ビルとして、2011年に建設されたもの。今回の改修では事前に「ZEB化可能性調査」を実施し、一次エネルギー消費量(BEI値)0.5を実現することが可能と判断。大掛かりな躯体工事を行わず、省エネ性能に優れた設備のリニューアルと運転制御でエネルギー消費量を大きく減らし、通常改修と同等のコストでZEB Readyを達成した。再生可能エネルギーを除くBEI値は0.47を実現。また、ソーラーカーポートを追加し、V2X(Vehicle-to-Everything)システムと組み合わせることで、クリーンエネルギーによるレジリエンス強化を実施。既存太陽光発電システムとの組み合わせで、全体のBEI値は0.42を達成している。
改修では、高効率の空調設備やLED照明を導入。加えて、照明設計においては、同社独自の空間の明るさ感指標“Feu”を活用し、従来の750lx設計を500lxまで抑えることで、通常の器具置き換え以上の一次エネルギー消費量を削減。また、空調では、ZEB対応の高COP空調機の導入やファン動力のダウンサイジングで一次エネルギー消費量を削減した。クラウド上で運転効率をAIが分析して自動制御を実施するHVAC CLOUDも導入している。
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