大建工業(大阪市)は、「木質由来成分からなる接着剤」を使った、天然素材比率98%のMDFの製造試作に成功したと発表した。
同社は2019年から石化原料を含む接着剤等を一切使用しない「究極の環境配慮型MDF」の製造技術確立に向けた取り組みを開始している。
MDFは一般的に、木材チップのほかに安価で高性能な石化由来の接着剤が使われるため、製品としての天然素材比率は85%程度にとどまる。
そこで同社は、これまで廃棄されていた「樹皮」に着目。樹皮から抽出した木質由来成分を接着剤化するレシピを独自開発し、これを接着剤として使ったうえで自社品質規格を満たすMDFの製造に成功した。天然素材比率は98%にのぼる。
今回の製造試作は、「究極の環境配慮型MDF」開発の第1ステップで、これを機に研究フェーズから販売に向けた実用化フェーズに入っていくという。
第2ステップでは同社のアカシア植林木樹皮から抽出した成分の接着剤化技術を確立し、第3ステップでは樹皮集材から接着剤合成までの一貫製造プロセスを構築して安定した調達・生産体制を整える予定。
2025年度中の生産開始を目標に木質由来の接着剤を用いたMDFの量産等について試作検証を重ね、最終的には植林木や天然由来成分を活用した「天然素材比率100%・石化原料ゼロのMDF」の発売を目指す。
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