東京都は5月22日から6月20日まで、「キャップ&トレード制度」(温室効果ガス排出総量削減義務・排出量取引制度)などの「既存建物の気候変動対策」の改正案について、パブリックコメントを募集している。
意見募集を行うのは、①キャップ&トレード制度に関する改正事項、②地球温暖化対策報告書制度に関する改正事項―の2点。「キャップ&トレード制度」の第4計画期間(2025-2029年度)の削減義務率やその対象となる範囲、省エネ・再エネ利用に関して事業者が行う報告、ゼロエミッション化に向けた取り組みなどについて意見を求める。
キャップ&トレード制度については、現行の基準排出量・設定方法を継続し、報告および削減義務の対象を、引き続き化石燃料とする。また使用量・排出量を報告する対象に、「非化石燃料」「自然界に存する熱」「再エネによる自家発電」の使用量を追加する。削減義務率は、オフィスビルなどが50%、他所から熱などを供給される事業所および工場などは48%。新たに電化率20%未満の事業所への緩和措置を導入する。
ゼロエミッション化に向けた取り組みのうちトップレベル事業所の認定では、設計段階で高評価を得た新築建築物について、建築物環境計画書制度と連携して評価する認定ルートを新設する。
他に、省エネ・再エネの利用について、都が「2030年度達成水準」を設定。それに向けて各事業者が省エネ・再エネ利用の推進計画を策定し、達成状況の報告を行う。優良事業者に対しては取引先からの評価につながるよう、第3者にも分かりやすい形で公表する。
パブリックコメントの結果については、8月以降に開かれる専門家会議で検討。2023年度中に各制度の公表、2024年度に改正規定の周知を行った後、2025年度に施行する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。