信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、土木工事の冨士建設工業(福岡県柳川市、野田知秀社長)が5月8日、福岡地裁より破産手続き開始決定を受けていたことがわかった。負債は2022年9月期末時点で約3億3700万円。
同社は1969年6月創業。福岡県南部地区を主な施工エリアとして河川工事などの土木工事を主体に、公共施設等の建築工事、とび・土工工事などを手掛けていた。一級建築士・一級土木施工管理士・一級建築施工管理士が複数名在籍していたほか、ISO、OHSAS認証も周辺同業者より早期に取得するなど、技術力には定評があり、河川・港湾工事や公共施設などの大型案件から、一般個人向けの戸建て住宅まで幅広く手掛けた。2005年9月期の売上高は約14億円を計上していた。
しかし、近年は官公庁案件において大型案件を受注できずに苦しい事業展開が続き、2022年9月期の売上高は約6億8000万円まで落ち込んだ。さらに物価高騰の影響を受け、厳しい経営状態に陥り、経費削減などを実施して事業継続を模索していたが今後の見通しが立たず、4月28日に事業を停止していた。
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