LIXIL(東京都品川区)はこのほど、サプライチェーン全体の最適化に向けた取り組みの一つとして、AIを活用した需要予測を開始した。PwCコンサルティング(東京都千代田区)が提供するAI・機械学習アルゴリズムを用いた次世代型需要予測ソリューション「Multidimensional Demand Forecasting(MDF)」を導入し、サッシ・ドアやエクステリアなどの建材事業を展開するLIXIL Housing Technologyの約120万機種におよぶ製品を対象に試験運用を行っている。
AI需要予測を活用することで、予測対象一つ一つの特徴を捉えた高解像度かつ高精度な予測算出が可能となる。展開事例としては、高解像度な予測によって、エリア別の予測精度の向上に貢献。海外で生産する製品については、海外の生産拠点から日本国内の6エリアの物流センターへ向け、SKUごとの適切な数量を船輸送することで、ムダかつ高コストな日本国内での横持ち輸送発生を抑制する。またMDFは、定番・量産品のみならず、特注品や少量品も需要予測可能で、モデルチェンジにも対応しているため、広く機械的アプローチが可能になる。人手による手動対応が必要な範囲が極小化し、業務コストの削減につながる。
膨大な予測データを提供する環境構築には同社の様々なデータを一元管理するクラウド型のデータ統合基盤「LIXIL Data Platform」を採用。各工場でデータ活用の自走化を促すためのデジタルスキル支援も並行して進め、多くの工場で潜在リスク低減に向けた実用化レベルの取り組みが加速している。
今後は、製品だけでなく副資材なども含め、需要予測の対象領域をさらに拡大していく予定だという。
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