住友林業(東京都千代田区)はこのほど、同社が参画する「NHERI TallWood Project(ナーリ トールウッド プロジェクト)」にて、世界初となる10階建て木造ビルの振動台実験を開始したと発表した。同社は、2020年6月から同プロジェクトに戦略的パートナーとして参画している。
「NHERI TallWood Project」は、米国科学財団と米国森林局の助成プロジェクトで、耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えて部材間の固定度を高める「ポストテンション耐震技術」を用いて、中高層木造建築の耐震性能と建築技術を検証するもの。第1フェーズとして、米国研究者が米国西海岸の耐震基準で10階建て木造ビル試験体の実大振動台実験を実施する。期間は6月上旬まで。
第2フェーズでは米国の実験終了後、同社独自の実験を実施。試験体建物を日本の耐震基準に合わせた同社オリジナルのポストテンション仕様に改修し、国内で発生した地震波などを使用して耐震性能を検証する。同実験は、米国研究者と京都大学生存圏研究所五十田研究室協力のもと進めてきたもので、両フェーズを通じて建物の安全性を検証し、中大規模木造建築の技術の確立を図るとしている。
同社は一連の実験で知見を蓄積し、より正確に地震時挙動の予測方法を検討する。米国中大規模木造関連企業との繋がりを強化するとともに、国内外で展開する中大規模木造建築に活用していく。
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