東京カンテイ(東京都品川区)はこのほど、主要都市における4月の新築一戸建て(土地面積100㎡以上300㎡未満)と新築小規模一戸建て(土地面積50㎡以上100㎡未満)の供給動向を発表した。
新築一戸建ての平均価格は、首都圏(1都3県)が前月比2.8%減の4340万円と下落に転じた。東京都が1.8%減の5494万円、千葉県が2.6%減の3709万とともに反転下落。埼玉県は7.0%減の3587万円と最も大きく下落した。上昇したのは、2カ月連続プラスとなった神奈川県(1.4%増、4942万円)のみで、首都圏の価格は2023年1月以降、下落基調にあると見られる。一方、土地・建物の平均面積が縮小した都県は前月より減少し、首都圏全体でプラスに転じている。都市別では、東京23区が前月比9.8%減の7933万円と大きく反転下落し、5カ月ぶりに7000万円台になった。都下は5099万円(2.6%増)と2カ月連続上昇。横浜市は5633万円(4.6%減)で下落、川崎市は6233万円(5.2%増)と2カ月連続上昇した。郊外都市では、相模原市が4346万円(7.7%増)と大きく上昇に転じた。千葉市(3.8%減)は反転下落、さいたま市(2.9%減)は2カ月連続下落した。
近畿圏(2府4県)は、前月比2.5%増の3594万円と反転上昇した。大阪府が3876万円(6.0%増)と反転上昇。兵庫県は3486万円(3.2%減)、京都府は3916万円(14.4%減)と、いずれも反転下落した。京都府は18%増だった前月の反動と見られる。都市別では、大阪市が5171万円(7.3%増)と2カ月連続で上昇し、前年同月比もプラスに転じた。堺市は4096万円(13.4%増)と大きく反転上昇し、近畿圏主要都市の中でも高水準となった。神戸市は3795万円(7.8%減)と反転下落、京都市は4932万円(7.8%増)と反転上昇した。
中部圏(4県)は、前月比2.2%減の3268万円と3カ月連続下落した。愛知県は1.5%減の3490万円と3カ月連続下落したが、前年同月比では1.3%増となった。名古屋市は4006万円(4.5%減)と反転下落し、土地・建物の平均面積が前年同月比・前月比ともに縮小している。平均価格の前年同月比は0.1%増だった。
宮城県は3253万円(1.2%減)と2カ月連続下落したが、前年同月比は1.4%増だった。仙台市は前月比横ばいとなり、前年同月比は1.8%増の水準だった。福岡県は3452万円(0.7%減)と下落に転じたが、前年同月比では2.6%増とプラスを維持している。福岡市(1.0%減)は2カ月連続下落したが、前年同月比は6.4%増となった。
■小規模一戸建ては首都圏・近畿圏が反転上昇、中部圏は連続下落
新築小規模一戸建て住宅の平均価格は、首都圏で前月比0.6%増の5256万円と反転上昇した。東京都が6571万円(1.8%増)、千葉県が4402万円(3.4%増)とともに反転上昇し、首都圏全体の価格を押し上げた。神奈川県は4712万円(1.3%減)と反転下落、埼玉県は4145万円(1.0%減)と4カ月連続下落した。埼玉県は前年同月比では依然プラスの水準だが、下落が続いている。都市別では、東京23区が7031万円(0.7%増)と反転上昇。都下は5215万円(4.4%増)と3カ月連続上昇し、2014年4月の調査開始以降、初の5000万円台になった。横浜市(2.4%減)は反転下落、川崎市(0.1%減)は2カ月連続の下落となった。相模原市(4.2%増)は反転上昇。千葉市(26.0%増)は前月までの反動で大きく反転上昇した。さいたま市(7.1%増)は、4カ月連続の下落から上昇に転じた。
近畿圏は、前月比2.7%増の3872万円と反転上昇した。大阪府は3748万円(4.7%増)と反転上昇し、2014年4月の集計開始以降、近畿圏全体の最高価格を記録した。兵庫県は4289万円(2.7%増)と2カ月連続上昇。京都府は3960万円(2.7%減)と反転下落し、前月の4000万円台を下回った。都市別では、大阪市が4225万円(10.3%増)と反転上昇し、集計開始以降の最高価格となった。堺市(0.4%増)、神戸市(8.0%増)が反転上昇した一方、京都市(3.3%減)は反転下落した。
中部圏は、前月比1.1%減の3889万円と2カ月連続下落し、前年同月比も3.1%減と、ともにマイナスとなった。愛知県は0.8%減の3935万円と2カ月連続で下落し、前年同月比もマイナスの水準。名古屋市は4094万円(1.1%増)と2カ月連続上昇したが、前年同月比は4.6%減となった。
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