帝国データバンク(東京都新宿区)によると、4月の「物価高倒産」は75件となり、急増した前月からさらに増加し、10カ月連続で最多を更新した。2018年1月の集計開始から累計で1000件を突破した。全体の倒産件数も増加基調にあり、「物価高」に起因した倒産はハイペースで増加。今後も高水準で推移していくものとみられる。
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特に、資材高の「建設業」、燃料高の「運輸業」で目立つ。全体の倒産件数が2月の574件から800件に急増した3月には「物価高倒産」も前月を大きく上回った。一方、4月は全体の倒産件数は610件と前月を下回ったが、「物価高倒産」は増加しており、倒産件数全体に占める「物価高倒産」の割合は3月の8.3%から4月は12.3%と大きくなっている。
業種別にみると、「建設業」(23 件、構成比31%)が最多。次いで「製造業」「運輸業」(各13件、同17%)、「サービス業」(12件、同16%)、「小売業」(7件、同9%)と続いた。
「建設業」では、資材高の影響を受けた木造建築工事業者や土木工事業者が多く、「製造業」では食料品や印刷など多方面にわたった。「運輸業」は燃料高に加え、「2024年問題」も抱えるなど業界環境は非常に厳しい状況が続いている。
要因別にみると、「エネルギーコスト」と「人的コスト」が 25.0%で最多となり、「運輸業」ではこの2要因が大部分を占めた。次いで、「包装・資材」(22.7%)、「原材料」(20.5%)と続き、「建設」や「食品」関係で多かった。
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