昨今、建物の高性能化が急激に進んでいる。一方で資材価格が高騰し、省コストが強く求められている。両者の要求を満たすための「高コスパ×高性能」の屋根設計について、菅沼建築設計の菅沼悟朗氏に取材した。
POINT3.屋根の掛け方③
片流れ屋根の掛け方の基本
◉片流れ屋根の場合、棟から軒先までの距離が長いので、緩い勾配でも小屋裏空間が取れる。奥行が4間以上あれば、3寸勾配でもロフトを設けることができる
➡ロフトを設けない場合は1寸勾配程度あれば外壁面積をある程度減らすことができ、外観のプロポーションも整えやすい
◉片流れ屋根でロフトを設ける場合、ロフトの位置で水上側が決まる。ロフトが配置できてロフトへの階段を配置できるようにプランを整え、屋根勾配を確保する
➡ロフトと階段配置のために高低差が必要であれば、長手方向に勾配を取って屋根を葺き下ろすことになる
◉片流れ屋根に太陽光パネルを載せる場合、平面形状やプランにかかわらず、南へ向けて勾配を取る。プランと発電効率が相反する場合もある
➡太陽光発電は高額な設備なので、もとをとるためにも発電効率を優先することが多い
POINT4.屋根の掛け方④
下屋の付設の仕方と屋根の掛け方
◉母屋に1.5坪程度の小さな下屋を付設する場合、屋根は片流れとなる。切妻屋根でもよいが、方流れのほうが外観はまとまりやすく、外壁との取り合いも納めやすい
➡下屋に天井高が必要なスペースを振り分けることはごくまれだ。屋根勾配1寸程度として外観にすっきりした印象を付与する
◉下屋は母屋のけらば側と軒側のどちらに設ける場合がある。注意点は・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2023年5月10日発行)/強い屋根超入門』(P.9〜)でご覧ください。
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