国土交通省、農林水産省、林野庁は4月28日、「盛土規制法パンフレット」(一般用・事業者用)を公開した。危険な盛土を全国一律の基準で包括的に規制する「盛土規制法」(宅地造成及び特定盛土等規制法)の改正法が、5月26日から施行されることに伴い作成したもの。「ご存じですか?危険な盛土等を規制する取り組みが始まります」と題して、最近生じた土砂災害の事例、新たな法律の概要、盛土の規制区域などについて説明している。
事業者向けのパンフレットでは、▽規制区域内での主な規制事項(許可申請の義務化、許可対象となる盛土の規模、規制対象への施策)▽規制対象の技術的基準▽許可申請から工事完了までの流れ▽規制対象行為と必要な手続き▽盛土を安全に保つ責務▽盛土規制法に基づく手続きが必要な工事―などを説明。
一般向けでは、地域住民の協力による不法・危険盛土の早期発見を念頭に、問題のある盛土の見分け方などについて解説。自分の所有地や身の回りにある盛土に異常がないか、確認を呼び掛ける内容となっている。大規模災害時に崖崩れや土砂の流出が起きやすい大規模造成地に、自宅が建設されているかどうかを調べる方法なども掲載している。
今回の法改正では、盛土の崩落により人家に被害を及ぼす可能性のあるエリアを「規制区域」に指定。規制区域内で盛土を行う場合は都道府県知事などの許可が必要となった。また盛土が行われた土地では過去の盛土を含め、常に安全な状態に維持するよう義務付けた。無許可で盛土を行うなど悪質なケースについては罰則の対象になり、最大で懲役3年以下または1000万円以下の罰金、法人に対しては最大3億円以下の罰金が科される。
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