天野保建築は大型パネルを積極的に活用した高性能住宅を手掛ける大工2人の工務店。
空間の開放性を保ちながら耐震等級3を実現する、屋根の設計施工のポイントについて同社代表の天野洋平氏に聞いた。
設計施工の体制:大工2人で全業務をカバー
◉同社はこれまで天野氏が1人親方で活動。最近53歳の社員大工が入社して2名体制に。天野氏は営業と設計、積算を中心とし、補助的に施工管理と木工事を担うように変更
➡社員大工は木工事と施工管理を担当。施工管理アプリ 「CUMOE」 を導入して効率化
◉来年は新卒の大工見習いを採用予定。それをふまえて設計の標準化を推進。誰が監督や大工として現場を担当しても同じ品質を保てるように納まり図集としてまとめていく
強く、美しい軸組を短工期で組み上げる
◉同社の建物の中核は構造的に強く、あらわしにしても美しい軸組。これを建て方の2日間で完成させる。工期短縮の基本は大型パネルの活用。特に壁パネルの効果が高い
◉壁パネルはモイス+外張り断熱ネオマフォーム80㎜厚+木製トリプルサッシ+透湿防水シート+通気胴縁。耐力面材のモイスが内装仕上げ。G3仕様は柱間にグラスウール充填
◉屋根パネルは断熱垂木+ネオマフォーム150㎜厚の断熱層。そのほかは現場施工。上棟の2日間は5〜6人大工がいるので屋根は現場施工のほうが効率がよい
◉屋根パネルの作成は2パターン。大工が忙しい場合はパネル工場で作成。手が空いている場合は同社の下小屋で社員大工が製作したほうが費用対効果は高い
➡建て方時にパネルを仮置きする場所がない場合、現場で部材を組み上げることもある
◉パネルは定尺材で作成。長さは最大4m。幅はネオマフォームの寸法の倍数が基本。その上でトラックに積めて大工が手下ろしできる寸法となる。極端に大きくはできない
多層化する屋根を効率的に組む
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2023年5月10日発行)/強い屋根超入門』(P.32〜)でご覧ください。
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