LIXIL(東京都品川区)が4月28日公表した2023年3月期(2022年4月~2023年3月)の連結決算は、売上収益が前期比4.7%増の1兆4959億8700万円、事業利益が同60.3%減の257億4500万円、営業利益が同64.2%減の249億300万円、最終利益が同66.6%減の168億8800万円。住宅需要の低迷などにより通期では大幅な減益となったが、第4四半期はコスト高への対応が進み、収益はやや回復した。
今期は米国および中国地域での需要減退や円安の影響を受けた一方で、国内事業では価格転嫁が成功し、リフォーム向け製品の売上げが伸長。一方、利益面では価格の適正化、収益性改善策に努めたが利益減は避けられなかった。
決算説明会で瀬戸欣哉社長は「日本では他社に先行して値上げを行ってきたが、その分シェアが下がった。価格改善への効果が出るのは来期になるだろう。イノベーションのコア事業としては、CO2削減、水の保全、リサイクル商品の拡大を柱としている。CO2削減は補助金事業の効果もあり、戸建住宅で3重窓の注文が、日によっては7倍になることもあった。同事業による売上げは現時点で200~300億円程度を見込んでいる」と話した。
セグメント別では、ウォーターテクノロジー事業は、国内事業は新設住宅着工戸数が弱含みに推移したが、リフォーム関連商品の売上げが堅調で、売上収益は9152億8500万円(同6.2%増)と増収に。事業利益は欧州地域でサプライチェーンの混乱などの影響を受け、472億5900万円(同38.3%減)にとどまった。
ハウジングテクノロジー事業は、住宅性能・快適性の向上を目的としたリフォーム需要が堅調に推移し、売上収益は5982億1100万円(同2.4%増)。事業利益は高性能窓製品の販売が伸長する一方で、新築住宅の需要低迷による販売数量の減少、大幅なコスト増などの影響もあり193億6000万円(同38.9%減)となった。
2024年期通期業績予想は、価格の適正化、断熱リフォーム需要などにより、売上収益は1兆5300億円(前期比2.3%増)、事業利益は400億円(同55.4%増)、営業収益は280億円(同12.4%増)、最終収益は111億円(同34.3%減)を見込む。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。