カナダ林産業審議会(COFI、東京都港区)はこのほど、「第5回 COFI木造建築デザインアワード」(Big&Tall Wood Challenge)の入賞作品を発表した。
同アワードは、木材の利用促進と木造建築の発展と促進普及のため、木造建築の工法、使用木材の生産・加工地を制限せず作品を募集。今回は、4層階以上で主たる構造が木造の建築物を対象とした「中層木造部門」、3層以下で1000㎡以上の主たる構造が木造の建築物を対象とした「大型木造部門」で審査を行い、各部門4作品、計8作品を優秀作品に選出した。
「中層木造部門」では、ANGULAR HOUSE(腰越耕太建築設計事務所)、新田楽生苑(メドックス)、Port Plus(大林組)、東京藝術大学国際交流棟 Hisao & Hiroko TAKIPLAZA(前田建設工業)の4作品が選ばれた。
「ANGULAR HOUSE」(東京都品川区)は、1階をオーナーガレージ、2階を賃貸住宅、3・4階をオーナー住居で構成する4階建ての共同住宅。高さ制限や日影規制などさまざまな条件が付加される中層木造において、同住宅では規制にあわせた建物の形態が自由な角度の面を生み出している。自由度の高い構造計画が可能な軸組構法の利点を活かした作品となっている。設計は腰越耕太建築設計事務所(東京都渋谷区)。
「大型木造部門」の入賞作品は、昭和学院小学校 ウエスト館(日建設計|Nikken Wood Lab)、常陸太田市立水府小・中学校(岡田新一設計事務所)、流山市立おおぐろの森中学校(日本設計)、木曽町役場(千田建築設計)の4作品。
「昭和学院小学校 ウエスト館」(千葉県市川市)は、CLTを活用した2階建ての木造校舎。教室では、CLTを軸を直行するように二枚重ねにした「CLT二方向フラットスラブ」で、梁型が出ず天井高さのある伸びやかな学習空間を確保した。防音性能や振動特性などのデータを採取、公開予定で、データが不足しがちなCLT建造物の発展に寄与する点も評価された。設計は日建設計|Nikken Wood Lab(東京都千代田区)。
審査員は、建築家で東 環境・建築研究所代表取締役の東利恵氏、東京大学生産技術研究所教授の腰原幹夫氏、建築家で芝浦工業大学教授の原田真宏氏。
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