木造住宅を長持ちさせるには結露や高湿状態を避ける必要がある。そのための具体的な設計手法について、新潟で長年にわたり高性能住宅を手掛けてきたオーブルデザイン(新潟県三条市)の浅間英樹氏への取材をもとにまとめた。
※本稿は注記のない限り、新潟県内に建つ耐震等級 3・断熱等級 7、基礎断熱を施した高さ約900㎜以上の床下をもち、床下エアコン設置した住宅を前提としている
Q.冬に結露をさせないための原理原則は?
A.室内を乾燥させて室温を高めることが有効。冬は換気量を増やせば乾燥し、暖房すれば室温は上がる。高断熱高気密はこれらを経済的に行う手段
現代の高断熱高気密住宅では冬に表面結露が発生する例は減っている。それでも引き渡し後、建て主から相談を受ける実務者は少なくない。的確に対処するには結露の原理原則を理解しておく必要がある。
結露は室内空気の温度と床・壁・天井・窓などの表面温度にはっきりとした差があるときに生じやすい。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができる。室内の空気が窓などの冷たい面に触れ、温度が下ると空気に含むことができる水蒸気量が減り、一部の水蒸気は空気に含むことができなくなる。その部分が水となって冷たい面に付着する。
この原理により、室内の水蒸気量が少ない(空気が乾燥している)と結露は起きない。もともと空気の温度が下がっても含むことができる少量の水蒸気量しか存在しないからだ。この場合、窓などの表面温度は低くても結露はしない。写真はどちらも浅間氏のオフィスの窓。アルミサッシと単板ガラスだが、上は結露しているが、下は真冬でも結露していない。このときは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2023年3月30日発行)/高性能住宅のための結露・湿害超Q&A』(P.52〜)でご覧ください。
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