経済産業省・環境省・国土交通省は4月24日、「再生エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会」の初会合を開いた。太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー発電設備の廃棄が2030年代後半にピークを迎えることから、そのタイミングに向けて計画的な対応を行う方針。
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初会合では、経産省と環境省がこれまでの取り組みと今後の方向性について説明した後、検討すべき内容について意見を交わした。主な論点として、①太陽光パネルの大量廃棄に向けた対応、②適切な事業廃止や廃棄処理に関する対応、③資源循環に向けた取り組み、④太陽光発電以外の設備への対応―を挙げた。
①「太陽光パネルの大量廃棄に向けた対応」では、今後予想される太陽光パネルの排出量、リサイクル施設・管理型処分場のキャパシティなどを把握し、リユース・リサイクルの技術動向やコストの実態などを調査する。これらを踏まえて廃棄・リサイクルに係る中長期的な計画を策定。関係法令の適用や新たな制度の創設などを検討する。
②「適切な事業廃止や廃棄処理に関する対応」では、パネルに含まれる鉛・カドミウム・ヒ素・セレンの含有率といった情報を太陽光パネルの型番ごとに集約して、データベース化する方法などについて話し合う。安全な解体撤去を行うための対策、廃棄されずに放置されたパネルへの対策についても検討する。
③「資源循環に向けた取り組み」では、「成長志向型の資源自律経済戦略」(2023年・経産省)、「循環型社会形成推進基本法」に基づいて、優先順位に沿ったリデュース・リユース・リサイクル・熱回収・埋立処分への対応を検討。リサイクルの阻害要因(システム面・技術面での課題)への対策などについても議論する。
消費者に正確な情報提供を
委員からは「廃棄問題で太陽光パネルの印象が悪化した。太陽熱温水器の廃棄問題と混同するような誤った情報も出回っている。消費者を困惑させないためにも正確な情報提供をお願いしたい」「住宅から廃棄物が出た場合、いろいろな場所から出ることになる。それらをどのように収集して処理場まで運ぶかといったロジスティクスの観点も必要だ」などの意見が出た。
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