LIXIL住宅研究所(東京都品川区)はこのほど、同社が提供する新コンセプト住宅「すごい家」に搭載している空調換気システムの換気・除菌・脱臭機能について、効果が実証されたと発表した。
同住宅は「全館ダクトレス空調システム」「高気密・高断熱」「24時間熱交換換気システム」「省エネ・レジリエンス」「感染症防止対策」「家族の健康・安全対策」など、これからの住宅に必要な機能を搭載。今回、開発テーマの1つである「AIR QUALITY=いつも空気がきれいな家」を実現する「24時間熱交換換気システム+高気密性能+光触媒塗布床材」について、実際のモデルハウスで第三者機関による実物大実験を実施した。
換気性能については、窓を開けずに24時間空調換気システムを稼働させた状態で室内にCO2を発生させると、ピーク時には厚労省の換気状態の基準値を超える濃度1200ppmが、30分で約半分、1時間で約1/3の400ppmまで下がることが確認できた。
空間除菌については、乳酸菌を用いた除菌効果試験を実施。除菌・脱臭装置を停止した状態では、光触媒フローリングの除菌性能により緩やかに減衰していたものが、除菌・脱臭装置を作動させると約60分で高い除菌効果が得られることがわかった。花粉などのアレルゲンにも同様の除染効果が期待できるという。
脱臭性能は、臭いの主要物質であるアンモニア水を噴霧し経時変化を分析。臭気判定士による6段階評価試験で、当初強い臭気レベル4だった空間が、除菌・臭装置を作動させると60分後にはほとんど無臭のレベル1まで下がり、脱臭効果が判定された。また、VOCを測定した結果、60分で検知できない値まで下がることが確認できた。
同社は、今回の実験がラボなどの実験施設ではなく、実物大の建物で行われたことで、実際の暮らしにより近い環境で空気の質を測定・効果を実証できたとし、同社が提案する健康への取り組みが証明されたとしている。
「すごい家」は、THERMO=冬場どこにいても暖かい家、AIR QUALITY=いつも空気がきれいな家、SAFETY=安心して暮らせるストレスフリーな家をテーマに開発。全館ダクトレス空調システムやHEAT20 G3の断熱性能で1年中適度な室温を実現したほか、換気・除菌・脱臭機能で空気をいつもきれいに保ち、太陽光発電・蓄電池や耐震等級3で災害に備えるレジリエンス住宅となっている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。