環境省は4月21日、「災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル」の改訂版(第3版)を公表した。平常時以上に石綿の飛散の恐れがある災害時の初動・応急対応、復旧・復興時の対応などについてまとめたもの。今回の改訂では、2020年の「大気汚染防止法」等の改正内容を反映したほか、モデル事業や前回の改訂(2017年)以降に発生した災害対応における知見を反映した。
2020年の法改正では、▽特定建築材料の範囲拡大▽事前調査方法の信頼性の確保▽罰則の強化・対象拡大▽作業記録の作成・保存▽災害時を見据えた国や地方公共団体の努力義務―などが盛り込まれた。これに伴って関係マニュアル類が改訂されたことから、同マニュアルへの引用箇所についても訂正している。
またモデル事業で実施した、石綿含有建材の使用状況やデータベースの作成、災害時のデータベース活用などを通じて得られた知見を反映。把握する建築物・地域などの優先順位の考え方や建築物の情報を把握するための届出情報について追記した。
2017年9月に「災害時マニュアル(第2版)」発行後に、最大震度6弱以上を記録した地震、台風などに伴う大規模な水害・土砂災害などが多数発生したことから、これらの対応事例を踏まえた知見も反映した。
主な内容は次の通り。
▽災害時における石綿飛散・ばく露防止対策の要点▽災害時における工程▽対象とする石綿含有建材の優先順位▽平常時における準備(石綿使用建築物の把握)▽災害廃棄物処理・仮置場の確保▽災害時のタイムテーブル▽災害発生時の応急対応▽調査・計画・届出・協議▽地方公共団体による一時保管・立入検査▽中間処理・最終処分▽参考資料(大規模災害時のモニタリング調査結果)、ほか。
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