環境省・国立環境研究所は4月21日、2021年度の温室効果ガス(GHG)排出・吸収量(確報値)を公表した。これによると21年度のGHGの排出・吸収量(CO2換算)は、11億2200万トンで前年度比2150万トン(2.0%)増加。新型コロナウイルス感染症により落ち込んでいた経済が回復し、エネルギー消費量が増えたことが要因と考えられる。
内訳は排出量が11億7000万トン(前年度比2.0%増)、吸収量は4760万トン(同3.6%増)で、吸収量は4年ぶりに増加に転じた。30年度目標および50年カーボンニュートラルに向けた取り組みについては、19年度から排出・吸収量が3.4%減少していることから、一定の進捗が見られると評価した。
ガス別の排出量は、CO2が10億6400万トン(前年度比2.1%増)、メタンがCO2換算で2740万トン(同0.1%減)、一酸化二窒素が1950万トン(同1.1%減)、ハイドロフルオロカーボ類が5360万トン(同2.6%増)。部門別(電気・熱配分後)では、産業部門(工場など)が3億7300万トン(同5.4%増)、運輸部門(自動車など)が1億8500万トン(同0.8%増)、家庭部門は1億5600万トン(同6.3%減)となった。家庭部門が占める割合は14.7%だった。
森林などからの吸収量は4760万トン(3.6%増)と、4年ぶりに増加に転じた。森林整備の実施や木材利用の推進が増加の要因となった。今回国連への報告では初めてマングローブ林による吸収量も算定している。
G7各国で排出・吸収量が最も多かったのはアメリカで55億9000万トン。日本はそれに次ぐ2位となっている。次いで、ドイツ7億6000万トン、カナダ6億5000万トン、イギリス4億3000万トン、フランス4億トン、イタリア3億9000万トンの順となった。
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