国土交通省は4月21日、YKK AP(東京都千代田区)が2007年まで製造・販売した特定防火設備(スチール採光窓付玄関ドア)の一部に、国土交通大臣認定の仕様への不適合があったことを明らかにした。4月13日に同社から報告を受けたもの。
不備があったのは同社が1996年4月から2007年12月の間に、2105棟(約2万6000セット)の物件に施工した製品。ガラス溝部にバックアップ材を使用していなかったことに加え、気密材にクロロプレンゴムを用いず、代わりにEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を使用していたという。
不備を改修しなかった理由について同社は、認定取得時に指定性能評価機関と協議を行った際、4種類の仕様についての性能試験を指示されたが、そのうちの1仕様が合格したことから4種類全てが包含して認められたと誤認していたと説明。実際には試験不合格となっていた3仕様が未改修のままになっていたと話している。
同社は不適合の特定防火設備が設置された物件の所有者に速やかに連絡をし、建築基準法に適合させるための改修を行う方針。さらに顧客の不安を払拭するため、2008年に大臣認定(EA-0259)を取得した製品が施工された物件115棟についても新しい製品に改修する。一方、当該製品については社内試験の結果、特定防火設備としての性能を満たしていたことから、販売した仕様で新たに大臣認定を取得する考え。
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