木造住宅を長持ちさせるには結露や高湿状態を避ける必要がある。そのための具体的な設計手法について、新潟で長年にわたり高性能住宅を手掛けてきたオーブルデザイン(新潟県三条市)の浅間英樹氏への取材をもとにまとめた。
※本稿は注記のない限り、新潟県内に建つ耐震等級3・断熱等級7、基礎断熱を施した高さ約900㎜以上の床下をもち、床下エアコン設置した住宅を前提としている
Q.夏型結露のリスクはどのくらいあるの?
A.木材などの多孔質材料を用いる限り、夏型結露のリスクはある。乾燥材でも条件によっては結露する。壁の材料構成など何らかの対策は必要
夏型結露は夏の日射などにより、壁を構成する木材などの多孔質材料(吸放湿性が高い材料)の温度が急激に高まり、壁の内外のどちらにも水蒸気が移動しにくい状態のときに起こる。
水分放出のメカニズムとしては以下のようになる。
多孔質材料は急激に熱せられると材中の水分が水蒸気として高温部から低温部へと拡散する。低温部で冷やされた水蒸気は水となり、多孔質材の毛管作用により吸い上げられる。そこで再度熱せられて…というサイクルを繰り返して水蒸気をどんどん放出する。
吸放湿性が高い材料の代表格が木材だ。浅間氏はスギ集成材や人工木材(デッキ材)、グラスウール、フェノールフォームなどをポリエチレンの袋に入れて日射に当て、夏型結露の状態を模した実験を行っている。スギ集成材のように乾燥した材でも材料が一定の温度に高まると水蒸気が放散され、逃げ場がないと結露することを確認している。人工木材のように樹脂が多くを占め、含水率が極端に低い材料でも一定の結露があった。
意外なのが・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2023年3月30日発行)/高性能住宅のための結露・湿害超Q&A』(P.71〜)でご覧ください。
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