国土交通省はこのほど「柔らかい区画整理の手引き」を取りまとめ、4月18日に公表した。「柔らかい区画整理」とは、これまでの概念にとらわれずに、さまざまな土地区画整理事業を柔軟に活用して、面的な市街地の再整備を進める方法。補助金などを活用しながら小規模な区画から土地の再編を始め、周囲の合意形成を図りつつ連鎖的にまちづくりを進めていく。
市街地に点在する空き地・空き家への対策が課題となる中、小規模な土地区画整理事業の手法や活用事例などを紹介することで、低未利用地の活用につなげたい考え。まちづくりに携わる行政や実務者、地権者などに利用を呼び掛けている。
手引きでは、「柔らかい区画整理」を進める手法の1つとして、小規模な区画の再編について紹介。「街区レベル」の規模(1000㎡~1万㎡)程度の土地を想定している。小規模な土地区画整理事業は、▽大規模な事業に比べて事業期間が短い(平均2年弱)▽地権者が比較的少人数で合意形成が図りやすい▽公共用地のために負担する公共減歩率が小さい▽保留地がなくても地権者負担金や補助金などで事業費が賄える―などの特長があり、連続してスピーディに事業が進むケースが多いという。
主な手法として、①道路・公園などの公共施設の整備と土地の入替えや整形化を一体的に行う「敷地整序型土地区画整理事業」、②地権者の申出に沿って換地を集約する方法、③地方公共団体が社会資本総合整備計画を作成してその基幹事業とする「都市再生区画整理事業」を紹介。③のうち今年度新たに創設された「地域生活拠点形成タイプ」は、関係権利者の合意による申出換地により誘導施設(医療・社会福祉施設、教育文化施設、子育て支援施設)を導入することが可能で、敷地上の建築物の移転補償費も交付費用に含まれるといった特長がある。
他に、再編・活用の進め方や活用事例、国交省による支援制度なども紹介している。
■「柔らかい区画整理の手引き」(PDF)はこちらから
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。