日本銀行が4月12日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」(第93回・2023年3月調査)によると、物価が上がったと感じる人が9割以上に達したほか、約6割が「支出が増えた」と答えた。このうち住宅の支出が「増えた(増やした)」と答えたのは全体の5.8%だった。また今後1年の支出については、「物価の動向次第で考える」との回答が7割に達した。「財布のヒモが緩むかどうかは物価次第」といった様子が見られる。
景況感に関する質問では、1年前と比べて「良くなった」との回答が6.8%、「変わらない」が28.8%で、前回(22年12月調査)と比べていずれも増加。「悪くなった」は63.9%で最も多かった。1年後の見通しについては、「良くなる」(13.1%)、「変わらない」(45.9%)、「悪くなる」(40.3%)となっており、「良くなる」との回答が増加し、「悪くなる」との回答が減少したことから、日銀では「景況感が改善した」と分析している。
物価に対する実感については、「かなり上がった」が62.8%、「少し上がった」が31.7%で、9割以上の人が「上がった」と回答。1年後の物価については8割を超える人が「上がる」と答えている。地価については、今後「上がる」と答えた人が32.8%で、前回調査よりも3.9ポイント増加した。金利水準に関する質問では、「金利が低すぎる」と答えた人が44.3%で最も多く、次いで「適当な水準である」(34.7%)、「金利が高すぎる」(18.5%)の順となった。
収入については、1年前と比べて「増えた」が11.1%で前回調査より増加。「減った」は36.3%だった。「変わらない」は52.1%。支出については「増えた」が60.2%、「減った」が12.7%。中でも支出が増えた(増やした)のは、「食料品」(44.1%)、「日用品(洗剤、雑貨等)」(26.2%)、「家電」(14.1%)などだった。
「住宅(家賃を含む)」は5.8%で、前回調査より0.3ポイント減少した。一方、支出が減った(減らした)のは、「外食」(35.3%)、「衣服、履物類」(29.6%)、「旅行」(27.7%)など。新型コロナにより外出が減ったことが影響していると考えられる。「住宅(家賃を含む)」に関する支出が減ったと答えたのは1.1%で、前回調査よりも少なかった。
今後1年間で、支出を考える際に特に重視することについて(複数回答)は、「今後の物価の動向」(70.2%)、「収入の増減」(51.1%)、「余暇・休暇の増減」(22.7%)、「興味のある商品・サービスの有無」(15.1%)との回答が多かった。
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