信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、木造住宅や店舗建築事業を手掛けるけんちく工房邑(茨城県つくば市、飯田瑞穂社長)が3月30日、水戸地裁より破産手続き開始決定を受けた。負債額は約2億6000万円。
同社は、1976年(昭和51年)8月に青森県青森市に、農事法人みちのく牧場の商号で本店として設立。その後は実質休眠状態だったが、2003年4月に現商号に変更、本店も都内に移転し、對馬英治氏が代表に就任して木造建築業として事業を再開した。本店を現所に移転した後も、自然素材を生かした伝統工法「板倉工法」と「民家再生」を軸とした木造住宅や店舗建築事業を展開。2016年9月期の売上高は約3億4000万円を計上していた。
しかし、近年は競合によって受注価格が抑えられるなか、建築コストを吸収できず、連続欠損を強いられていた。また、新型コロナの影響で受注環境が悪化し、2021年9月期の売上高は約1億1600万円に低下。欠損計上を余儀なくされ、債務超過に陥っていた。さらに、事業を主宰していた對馬氏が2022年8月に死去したことで経営状況がより悪化し、先行きの見通しが立たなくなり、資金繰りも限界に達したことから今回の措置となった。
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