国土交通省は4月14日、積水化学工業(大阪市)が供給した集合住宅および製品において、建築基準法および国土交通大臣認定の仕様への不適合があったことを明らかにした。4月5日に同社から報告を受けたもの。
不備があったのは同社が供給した木造共同住宅のうち、1993年に大阪府堺市内で大阪セキスイツーユーホームが販売・施工した木質系共同住宅(ツーユーホームアパート)。入居者からの指摘を受け、同社が確認したところ、界壁の一部が小屋裏まで達していなかったこと(建築基準法規定への不適合)が判明した。
報告を受けて国交省が同タイプの共同住宅147棟の調査を指示したところ、さらに5棟で同様の不備が見つかった。残り141棟についても引き続き調査している。
対象は、大阪セキスイツーユーホーム、東京セキスイツーユーホーム、東北セキスイツーユーホーム(セキスイハイムグループ各社が承継)、セキスイハイム東海が1987年から2000年に供給した集合住宅。
さらに同社が製造した防火設備(引き違い窓)の一部で、大臣認定の仕様に適合しない組立てを行った製品があることも判明。対象製品は、2015年3月から2023年3月にセキスイハイムグループ各社(東京・近畿・東北・九州)が施工した住宅2640棟に据付けした窓数7998台。大臣認定の仕様では、窓枠材の組立てねじの長さを65㎜以上とすべきだが、40㎜のねじを使用していた。
国交省は同社に対し、▽所有者等関係者への改修などの具体的な方針内容の説明▽特定行政庁への報告と是正についての協議の実施▽改修などの迅速な対応▽原因究明と再発防止策の報告▽相談窓口の設置―を指示。同社は不適合があった箇所について、建築基準法および認定の仕様に適合させるための改修を行うとしている。
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