積水ハウス(大阪市)はこのほど、同居する子どもが巣立った全国の40~60代の夫婦554人を対象に、同社の研究機関・住生活研究所が実施した「子どもの巣立ち後の暮らしに関する調査」の結果を発表した。それによると、子どもが巣立ったあとも半数以上が子ども部屋を”そのまま”にしており、4割以上が子ども部屋を別の用途では利用していないことがわかった。
子どもが巣立ったあとの子ども部屋の状態について質問したところ、53.8%が「子どもの“もの”をそのままにしている」と回答。巣立ち後3年以内では7割、巣立ち後11年以上では4割が「子どもの“もの”をそのままにしている」と回答しており、年数が経つごとに子ども部屋を片付ける夫婦が多くなるものの、子どもが巣立ったあとも自宅にいつでも戻ってきてもいいようにという親心がうかがえる結果となった。
子どもが巣立ったあとの子ども部屋の活用状況について質問したところ、43.9%が「別用途の部屋として未活用」と回答。子どもの“もの”をそのままの状態かつ、子ども部屋を別用途の部屋として活用していない夫婦に理由を聞いたところ、「子どもが帰省時に使用する」が61.0%と最も多く、次いで「子どもが戻った時の居場所」46.2%、「片付けるのが手間」23.6%という結果となった。
一方、「子ども部屋を別用途の部屋として活用している」と回答した264人に「子どもの巣立ち後、子ども部屋を別の用途で活用したタイミング」について聞いたところ、約4割が子どもの巣立ち後1年以内に子ども部屋を別用途の部屋として活用しはじめたと回答しており、巣立ち後4~5年以内には9割の夫婦が別用途の部屋として子ども部屋を活用していることが分かった。
子ども部屋をどのように活用をしているか聞いたところ、「倉庫・物置」(27.3%)が最も多く、次いで「夫婦別寝室(個人の部屋)」(24.6%)、「書斎や仕事スペース(個人の部屋)」(12.5%)という結果に。また、子ども部屋を別用途の部屋として活用している夫婦の28.1%が、子ども部屋に限らず、工務店や住宅会社に依頼するような住まいのリフォームを既に実施もしくは実施を予定していると回答。リフォームの実施または実施計画の内容を聞いたところ、「間取りを変更して大きな部屋、空間を作る」24.3%、「趣味に適した部屋を作る」23.0%、「収納用の部屋(納戸)」20.3%、「老後を考えてバリアフリーにする」18.9%という結果となった。
本調査により、巣立ち後の過ごし方やその先のライフステージを見据えて計画できている人とそうでない人の差が明らかとなったことで、同社では、家族やライフスタイルの多様な変化に対応し、子どもが巣立ってしまった後も夫婦がいつまでも豊かな気持ちで暮らせる住まいづくりを提案していくとしている。
調査期間は2023年1月20日~22日。
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