熊谷組(東京都新宿区)と住友林業(東京都千代田区)は、2022年に共同開発した「KS木質座屈拘束ブレース」に2樹種を追加して新たに構造性能評価を取得した。
木質材料で鋼材を拘束することで安定的な変形性能を発揮する鋼製ブレース。2022年3月には日本ERI(東京都港区)の構造性能評価で最高BAランクを取得している。
これまでは座屈拘束材に高密度・高強度なロシア産のダフリカカラマツ(別名:北洋カラマツ、シベリアカラマツ)のLVLと国産の針葉樹合板を使ってきたが、国際情勢の変化によりダフリカカラマツが入手困難になり、一方で国産材利用の機運が高まっていることを受けて、開発チームに東京電機大学(東京都足立区)・笹谷研究室を迎え入れて樹種の活用研究を開始。実大構造実験を重ね、ダフリカカラマツに替わるLVL用樹種として国産カラマツとラジアータパインの実用化に成功した。
利用樹種を拡大し利便性が高まったことで、さまざまな鉄骨造建築に加え、中大規模木造建築にも積極的に導入予定とする。
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