信用調査会社・帝国データバンクによると、住宅の新築・改修などを手掛けるプラスホーム(石川県白山市)が3月17日、金沢地裁より破産手続き開始決定を受けた。負債額は約1900万円。
同社は、2016年11月に設立し、代表のみの運営で、業界経験と人脈を生かしながら小規模な事業を行っていた。住宅新築工事など大口の受注が得られた2018年10月期の売上高では約5800万円を計上していたが、外注への依存度が高く、収益性は低調で、赤字決算が慢性化する厳しい経営が続いていた。2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響でさらに業況が悪化、2021年10月期の売上高は約2500万円にとどまり、大幅な赤字を計上していた。資本金をはじめ資金基盤は脆弱で、資金繰りの悪化から事業継続が困難となり今回の措置となった。
また、建築工事や居酒屋、うどん店の経営を手がけていた大樹(石川県小松市)も3月17日、金沢地裁小松支部より破産手続き開始決定を受けた。同社は2022年5月から事業を停止していた。負債額は約7500万円。
2015年創業、2017年1月に法人改組された事業者で、小松市周辺地区を主な営業エリアとしながら、一般住宅の新築・リフォーム、商業施設等の建築工事をメインに、同市内で居酒屋とうどん店の経営もしていた。
住宅の新築工事やセレモニーホールのリニューアル工事など、大口工事が寄与した2020年12月期の売上高は約1億4100万円だったが、外注費の膨張に加え、新型コロナの影響で飲食事業の業況が悪化し、同期の最終損益は約3400万円の大幅な赤字となり、債務超過に転落していた。コロナ関連融資で資金を繋ぐ一方、代表が兼務する関係会社では新分野に着手し、業況の打開を目指していた。
しかし、石川県の補助金制度の活用において、申請書類の虚偽により補助金を詐取したとして、2021年9月に代表が逮捕される事態が発生。2022年1月には代表に猶予刑が確定し、同年3月11日付で県から建設業許可の取り消し処分を受けたことで事業継続を断念。2022年5月頃には事業を停止し、事後処理を弁護士に一任していた。
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