東京都は従来の子育て支援住宅認定制度を見直し、新たに2023年度から安全性を強化した集合住宅などを対象とする「東京こどもすくすく住宅認定制度」を開始する。4月7日に開かれた定例記者会見の中で明らかにしたもの。転落防止などの安全確保や、快適な子育てが可能となる間取り・設備など、工夫が凝らされた集合住宅の供給を促進する。集合住宅(2戸以上)であれば、分譲・賃貸、新築・改修問わず対象となる。
同制度では3段階の認定モデル基準を設け、認定基準の適合度合に応じて整備費の一部を住宅事業者に支給する。認定レベルは、①設備の充実とコミュニティ形成などソフト面を重視した「アドバンストモデル」(住戸専有面積50m2以上)、②事業者の特色を生かし設備の選択が可能な「セレクトモデル」(同45m2以上)、③子供の安全の確保に特化した「セーフティモデル」(同45m2以上)の3種類。補助率や補助上限額は区分や認定モデルにより異なり、例えば新築の賃貸住宅で「アドバンスト」の場合は、補助率5分の1、上限は200万円となる。
会見の中で小池百合子知事は「最近、子供がベランダから転落するといった痛ましい事故があった。都ではこれまでにも居住者の安全性、家事のしやすさに配慮した子育てしやすい環境づくりのための取り組みを行い、モデル的で優良な住宅を認定してきた。今回はさらに対象を広げ、事業者による取り組みを強化する。子供の安全性が十分に確保された住宅の供給を強力に推進したい」と話した。
また、分譲マンションの所有者を対象に、転落防止のための室外機の柵やベランダの窓の補助錠、指挟み防止機能の付いた扉への改修など、子供の安全確保を図る改修費用を支援する。補助率は費用の3分の2、上限は1戸につき30万円。他にも、妊娠出産時に希望する育児用品(10万円分)を商品カタログから選ぶことができる「東京都出産応援事業」の対象商品にセーフティグッズを追加するなど、子供の事故を未然に防ぐ対策を強化する。
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