東京都は3月31日、このほど改正した「東京都耐震改修促進計画」を公表した。昨年5月に10年ぶりに見直した地震の被害想定や、「TOKYO強靭化プロジェクト」(22年12月策定)を踏まえ、木造住宅や緊急輸送道路沿道建築物などの耐震化計画をグレードアップした。大地震があっても「倒れない・燃えない・助かる」まちづくりを目指している。
今回の改定では耐震性が不十分なすべての住宅を、2035年度末までにおおむね解消することを目指している。さらに新耐震基準(1981年)に満たない木造住宅約20万戸を2030年度末までに半減させることを目標に掲げた。新耐震基準を満たした木造住宅のうち、2000年以前に建築された住宅についても耐震化支援を開始。災害時でも居住が継続できる、災害に強い住宅を増やしたい考え。震災時に避難や緊急物資輸送などを行う幹線道路沿線に立つ「緊急輸送道路沿道建築物」(一般沿道建築物)の耐震診断および耐震化も促進する。
近年の取り組みにより都内では住宅の耐震化が進み、直下地震による被害想定も改善された。その一方で、震度6強以上の想定エリアでは依然として死者約6000人、建物被害約19万4000棟になることが予想されている。
令和7年度までの主な耐震化目標は次の通り。(カッコ内は現状)
▽住宅:旧耐震基準の住宅をおおむね解消(92.0%済)
▽マンション:耐震性が不十分な建物をおおむね解消(94.4%済)
▽公共住宅:耐震性が不十分な建物をおおむね解消(91.9%済)
▽都営住宅:耐震化率100%(95.9%済)
▽特定緊急輸送道路沿道建築物:総合到達率99%・区間到達率95%未満の解消(92.6%済)
▽一般緊急輸送道路沿道建築物:耐震化率90%(95.9%済)
▽防災上重要な公共建築物:できるだけ早期に耐震化率100%(84.3%済)
▽私立学校:できるだけ早期に耐震化率100%達成(98.5%済)
▽組積造の塀:耐震性が不十分なものをおおむね解消
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