政府は3月31日、少子化対策のたたき台となる「こども・子育て政策」の強化に関する試案を公表した。この中で、若い世代が広々とした住まいで気兼ねなく子育てができるよう、子育てにやさしい住まいの拡充や住宅支援を強化することを目標に掲げた。民間住宅ストックの活用や、住宅金融支援機構の「フラット35」の金利負担軽減策などにも触れている。
事前に行われた政府の関係府省会議では、35歳未満の女性が理想の子ども数を持てない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」「自分の仕事に差し支える」の他に、「家が狭い」との意見があることに着目。その改善策としてたたき台では、子育て世代の住まいの確保に重点を置いている。
具体策としては、▽子育て環境に優れた立地にある公的賃貸住宅に優先的に入居できる取り組み▽住宅に入居しやすい環境の整備(空き家改修/子育て世帯の入居を拒まないセーフティネット住宅/既存の民間住宅ストックの活用)▽子どもの声や音などに気兼ねせず入居できる住まいの環境づくり(集合住宅の入居者などへの子育て世帯に対する理解醸成)▽入居や生活に関する相談を行う法人への支援―などを実施する。
また子育て世帯への住宅ローン金利負担軽減策として、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」で、住宅の広さを必要とする多子世帯に特に配慮した支援を行うとしている。
「フラット35」については、「フラット35(地域連携型)」で、4月以降資金実行分から金利引下げ期間を5年から10年に延期することが決まっている。子育て世帯が住宅を取得する場合、または空き家を取得する場合に適用される。
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