木造住宅を長持ちさせるには結露や高湿状態を避ける必要がある。そのための具体的な設計手法について、新潟で長年にわたり高性能住宅を手掛けてきたオーブルデザイン(新潟県三条市)の浅間英樹氏への取材をもとにまとめた。
※本稿は注記のない限り、新潟県内に建つ耐震等級 3・断熱等級 7、基礎断熱を施した高さ約900㎜以上の床下をもち、床下エアコン設置した住宅を前提としている
Q.結露や高湿状態を避けるのがなぜ重要なの?
A.木材腐朽やシロアリ被害、カビの発生を避けるため。カビの繁殖は住まい手の健康に悪影響を与えるほか「古さ」を実感させて建て替えを誘引する
木造建築を長持ちさせるには水分管理が重要になる。木材腐朽やシロアリ被害につながるためだ。漏水や結露のほか、室内や壁内、床下などが高湿になることを避けるのは木造建築における基本中の基本だ。
水分はカビの繁殖にも影響する。カビの繁殖は住まい手の健康に悪影響を与えるほか、実質的な建物寿命に大きく影響する。各種の調査結果から建て替え理由の第1位は「建物の古さ」になる。この「古さ」を住まい手に実感させるのがカビ臭だ。浅間氏は建物の長寿命化のために、カビ対策に念入りに取り組んでいる。
古い家特有のカビ臭が気になるのは築30年に近づいたころ。それまでの期間は高湿な時期があっても、カビ臭を感じる機会はそれほどない。木材などの自然素材に含まれる防カビ成分(フラボノイドやリグニン、テルペノイド、精油成分など)が働いているためだ。これらは揮発・溶出して減少し、築30年のころには効果がなくなる。防カビ成分がなくなるにつれ・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2023年3月30日発行)/高性能住宅のための結露・湿害超Q&A』(P.51〜)でご覧ください。
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