まもなく「住宅省エネ2023キャンペーン」の申請が始まります。補助額の大きな「先進的窓リノベ事業」は特に人気を集めていますが、人気ゆえの早期終了とそれに伴うトラブルも予想されます。弁護士・秋野卓生さんが、同事業を使う工務店のために、リスク回避策を伝授します。
国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による補助事業「住宅省エネ2023キャンペーン」の申請受付が、2023年3月31日からスタートします。住宅省エネ2023キャンペーンは、省エネ性の高い住宅の新築・リフォームに対する3つの補助金事業の総称です。補助額も大きく、工務店業界でも大きな反響を呼んでいます。
3事業の中でも、特に先進的窓リノベ事業(経済産業省・環境省)は、補助金額が大きい(最大200万円/戸)こともあり、サッシメーカーに多くの注文が殺到していると聞きます。
しかし、補助金の最大のリスクは、補助金が交付されると信頼して請負契約を締結したが、申請が殺到して、補助金申請の受付が早期に終了してしまう―工務店にしてみると「はしごを外されてしまう」―ケースです。特に、先進的窓リノベ事業は最大200万円と、補助額が高いこともあってかなりの人気です。人気があるということは、申請の前に受付が終了してしまう可能性がある点に留意しなければなりません。
また、先進的窓リノベ事業は、着工してからでなければ申請ができません。サッシメーカーへの注文が殺到し、納品が数ヶ月遅れて着工が延びているという状況下においては、申請受付が、着工するまでに終了してしまうリスクもあります。
先進的窓リノベ事業は、補助金額が大きいが故にリスクも大きくなります。工務店の皆様にリスクを回避していただくため「補助金利用に関する確認書(先進的窓リノベ事業版)」を作成いたしました。契約時は、この確認書に施主の署名・捺印をいただき、不測の損害賠償請求リスクの回避に努めていただきたいと思います。
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