東京都の2023年度一般会計予算が、3月24日に行われた都議会本会議で可決した。総額は8兆410億円で過去最高。少子化対策を中心として、都市の強靱化、脱炭素社会の実現に向けた取り組みに重点を置いた。
このうち「ゼロエミッション東京の実現」には1822億円を計上。都が定める基準を満たす新築住宅(ゼロエミ住宅)への補助金事業に244億円、ハウスメーカーなど建築物環境報告書制度に対応する事業者のための事業に34億円、断熱・太陽光住宅普及事業に496億円を盛り込んだ。太陽光パネルのみの導入だけでなくエコキュートの導入、壁などの断熱改修などを組み合わせた取り組みを充実させる。
パワーコンディショナー(パワコン)の更新についても補助を行う。新たな事業として、▽太陽光パネルのリサイクル支援(1億円)▽家庭のHTT普及促進(4億円)▽中小企業向け省エネ設備導入・運用改善支援事業(34億円)▽既存非住宅省エネ改修(4億円)▽中小企業のカーボンクレジット取引創出支援(7億円)―などを設ける。
空き家対策に4億円 ウッドショック対策も
「災害の脅威から都民を守る都市づくり」には3226億円を計上。台風などの強風時に倒壊し、飛来物の要因にもなる空き家対策として4億円、既存住宅流通の活性化に0.8億円を充てる。空き家対策では、都の政策に資する空き家の改修や、空き家を地域資源として活用する民間事業者に対して改修費用を支援。区市町村が実施する除却作業も支援の対象となる。
他に「ウッドショック対策プロジェクト」には21億円を投入。多摩産材をはじめとした国産木材の供給力を強化する。川上(生産)では、▽伐採・搬出技能向上▽最先端林業技術導入、川中(加工・流通)では、▽国産木材流通促進▽多摩産材流通拠点の機能強化、川下(需要)では、▽木材利用ポイント事業▽多摩産材の情報発信力強化―に注力する。建築物の構造木質化推進(1億円)や、国産木材の利用促進(74億円)にも予算を投じる。
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