YKK AP(東京都千代田区)は3月23日、4月から開始する新体制方針について説明会を行った。新たなビジョン「Evolution2030」をもとに、3つの方針である地球環境への貢献、新たな顧客価値の提供、社員幸福経営について説明。また2030年度までに国内外売上高1兆円規模への目標を掲げ、既存事業の成長と新規施策を取り入れることで世界のリーディングカンパニーを目指すことを発表した。
2022年度の海外市場推定は879億円だが、2030年度までに3倍以上の3000億円まで拡大する。北米においては、住宅の樹脂窓のシェア拡大のほか木製窓市場の参入を図り、中国・台湾・インドネシアでは、玄関ドアやインテリア建材などを中心に商材拡大を目指す。2023年度から2030年度までの累計投資額は1000億円規模としている。
こうした成長戦略の要として3つの方針が掲げられた。地球環境への貢献として、国内の工場に太陽光発電など創エネ設備を導入することで、2040年度までに自社にCO₂排出量を100%削減、中間地点として2030年度までに80%削減する目標を発表。そのほか国内の燃料転換として天然ガス化、また水素・アンモニア、都市ガスの主成分であるメタンを構成する技術(メタネーション)を活用する。
新たな顧客価値の提供として、木製窓を2024年度に発売する予定だ。2030年度までに同社の販売窓素材構成比率の約2割を目標値として定め、アルミ樹脂複合窓は3割、樹脂窓は5割の構成比率を目指している。木製窓の普及を推進する一方で、従来のアルミ窓はアルミ樹脂複合窓に集約することでスリム化を図る。また魚津副社長は「木製窓は樹脂窓と比べても高単価で4~5倍近い価格帯が想定される、しかしそれでは採用されない。将来的には2倍程度の価格差まで近づけるためにコストダウンを図っていく」と説明した。
社員の家族も含めた社員幸福経営では、「YKK AP人権方針(2023年4月公開予定)」にのっとり、YKKのパーパスでもある「善の循環」を果たすことを発表した。
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