国土交通省の社会資本整備審議会は3月22日に分科会を開き、5月26日に施行される改正盛土規制法の基本方針案(昨年9月公表)について委員から意見を聴取した。
改正盛土規制法(「宅地造成等規制法の一部を改正する法律」)は、2021年7月に発生した静岡県熱海市での盛土崩落による土石流災害を受けて、危険な盛土などに関する規制を抜本的に見直す目的で策定。土地の用途にかかわらず全国一律の基準を設けて規制する。
改正法では市街地や集落などの「宅地造成等工事規制区域」に加えて、市街地や集落からは離れてはいるものの、盛土が崩壊して土石流となった場合に人家に危害を及ぼす可能性のある「特定盛土等規制区域」も対象とした。国と地方公共団体との連携により、定期的に基礎調査やパトロールを実施するとともに、地域住民などの協力を得て不法・危険盛土の早期発見や速やかな対策を行う。基礎調査などの結果は地方自治体に通知し、所在地を示した図面などをインターネット上で公表する。
基礎調査を行う地方公共団体には、都市防災総合推進事業の名目で補助金が支払われるほか、宅地耐震化推進事業、盛土緊急対策事業などにより、応急対策工事、盛土撤去工事、滑落防止工事などに要する費用の一部が補助される。基本方針には他に、▽建設工事から発生する土の搬出先の明確化▽廃棄物混じり盛土の発生防止▽盛土の土壌汚染などに係る対応▽太陽光発電に係る対応―などが盛り込まれている。
参加した委員からは「地域の土地の特性や災害を継承する仕組みが必要」「最近増えているグランピング施設についても言及して欲しい」などの声が聞かれた。
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