きよかわ(広島県広島市)は社員4人が全員大工でハウスメーカーに営業として勤務した経験をもつ異色の工務店。高性能な躯体と木材などの素材を生かした家づくりには定評がある。前半はマルチスキルな大工による効率的な設計施工連携について、後半はその手法を生かした高性能住宅について代表の清川伸二氏らに聞いた。
ポイント① 手描きとシミュレーションで自社の特徴を表現
◉同社社員は全員が大工。代表の清川伸二氏と息子で専務の創史氏、常務の太視氏のほか原口晴郎氏の4人体制。伸二氏はリフォーム全般を担当。創史氏は設計と施工管理、太視氏は営業と施工管理を兼任
◉見込み客からの問い合わせには太視氏が対応。打ち合わせに進んだ段階で創史氏も同席。ヒアリングを一緒に行う。プレゼンには手描きの平面図と立面図、パースを提出。概算の見積り書も作成
➡初回プランを作成する際に軸組をある程度決める。それをもとに「ホームズ君」により許容応力度計算を行って耐震等級3が取れることを確認している
◉2回ほど打ち合わせをしてプランを修正。見積りを含めて承認を得た段階で工事請負契約を結ぶ。断熱性能は標準仕様でG2を超えることが分かっているが、改めて「ホームズ君」でUA値と光熱費を算出
◉見込み客に断熱性能を高める価値を説明するのに、温熱計算はとても役に立っている。特に電気代への関心が高まっているので、光熱費の金額を示すことで説得しやすくなっている
➡「ホームズ君」はIT導入補助金を用いて導入。シミュレーションへの見込み客の関心も高く、価格以上の価値があると評価
ポイント② 現場の話し合いで納まりが標準化されていく
◉契約後に創史氏が実施図面を描く。それをもとに外部の設計事務所が確認申請を行う。内装やカーテンなどインテリアに関することは太視氏が建て主と打ち合わせをしながら決めていく
➡創史氏は図面を描く期間、何度か太視氏と話し合って納まりなどを決めている。その過程で両者の情報共有が図られている
◉設計担当を含めて全員が大工なので、確認申請に必要になる最小限の図面で施工できる。矩計図は作成するが、・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2023年2月28日発行)/設計施工を究める超家づくり術<超高性能編>』(P.56~)でご覧ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。