大和ハウスグループのコスモスモア(東京都渋谷区)は、建築工事において発生するCO2の排出量を算出するサービス「Carbon watch(カーボンウォッチ)」の提供を4月3日から開始する。
同サービスは、建築工事の際に利用する「電力(照明・空調・エレベーター)」「資材、人員輸送車両の走行、稼働重機による燃油消費」「廃棄物処理(運搬含む)」から排出されるCO2を算出するというもの。同社が請負う新築工事、ビルイン工事、躯体含むリノベーション工事を対象に、Scope2の電気、Scope3の輸送・配送、事業から出る廃棄物のCO2を算出し、報告書を提出する。要望に応じて、カーボンオフセットプロバイダと連携し、カーボンオフセット調達証明書の発行も可能。サプライチェーンのなかでも算出しにくい「工事によるCO2排出量算出」を行うことで、各企業のCO2排出量抑制・削減対策に貢献する。
政府の2050年カーボンニュートラル宣言以降、CO2排出量抑制・削減の動きが国内で強まっている。CO2排出量の抑制には、各事業者がCO2排出量を把握する必要があるが、建築工事においては施工会社が複数社に渡るため算出に伴う情報収集が煩雑となり、実態を把握しにくいという課題があった。そのため、同社はオフィスのレイアウト変更や移転時に発生するCO2排出量を独自に算出してカーボンオフセットで相殺する商品「eco-to(いいこと)オフィス」をリニューアルし、今回のサービスを展開。対象工事・算出範囲を拡充したほか、環境省が公表する数値を使用する独自の算出方法に刷新した。
同サービスを利用することで、これまで算出が難しかった建築工事におけるCO2排出量の数値化を実現。自社活動に伴うCO2排出量を把握可能とすることで、脱炭素への取り組みをサポートするとしている。
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