政府は3月14日に行われた閣議の中で、国交省が所管する「不動産特定共同事業契約」(不特法)の規定を強化するため、「金融商品取引法」(金商法)の一部を改正することを決めた。これにより、発行方法によって金融庁と国交省がそれぞれ所管していた不動産デジタル証券の法適用が実質一本化されることとなった。
不特法は出資を募って不動産を売買・賃貸し、その収益を分配する仕組み。「不動産投資型クラウドファンディング」などの名称で、特定の不動産に小口投資して収益が得られる商品として注目を集めている。また不特法に基づいて不動産出資持分をブロックチェーンでトークン化するサービスなども登場した。その一方で、不特法によるトークンは規定は未整備で、適切な審査が行われていないとの指摘が金融業界などから寄せられていた。
そこで不特法に基づく不動産の権利をトークン化する動きが活発になる前に、該当するトークンに金商法での販売勧誘規制を適用することなった。併せてインターネット上で金融サービスを購入する顧客の利便向上・保護の観点から「顧客本位の業務運営・金融リテラシー」「企業開示」などに関する制度の整備も行う。
今回の改正で、金商法の登録を受けていない法人または届出をしていない法人は、不動産特定共同事業の許可を受けることができなくなる。さらに金融商品取引業者登録票など、営業所に掲示しなければならない標識と同内容の情報を金融商品取引業者のウェブサイト上で公開することを義務付ける。他に、顧客に対して誠実かつ公正に業務を遂行すること、顧客の知識・経験、財産の状況、目的に応じて理解できるよう情報提供することを義務として定める。
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