出光興産ら、太陽光発電自己託送代行サービスを開始

出光興産（東京都千代田区）と出光興産の100％子会社であるソーラーフロンティア（東京都千代田区）は3月15日、遠隔地に設置した太陽光発電設備から需要施設へ電力を送電する自己託送において、手続きと運用を代行する「自己託送代行サービス」の本格提供を開始した。

自己託送代行サービス 提供イメージ

自己託送は、自社の発電設備で発電した電気を、送配電事業者のネットワークを介して遠隔地にある施設・事業所などに送電し、より多くの電気を必要とする需要地点で利用する仕組み。需要地に太陽光発電設備を設置するスペースがない企業でも再生可能エネルギーを利用でき、再エネ比率向上と電気料金削減を実現できる。

同サービスでは、自己託送制度を利用する企業に代わり、ソーラーフロンティアが導入手続きや一般送配電事業者との契約締結支援、広域機関への各種計画の提出代行など、各種業務をサポート。約半年かかる導入手続きを代行することで、導入企業の業務効率化を実現するという。

自己託送制度を利用するには、30分ごとの発電・需要の計画値と実績値を一致させる必要があるが、太陽光発電を用いた自己託送は計画値と実績値の差異（インバランス）が生じやすく、インバランス料金の精算が発生するため実施が困難とされてきた。同サービスでは、出光グループの発電所開発や小売電気事業などの知見を生かした計画提出システムと、太陽電池の研究開発経験を生かした発電量予測システム「フロンティア フォーキャスト」の高精度な予測によって、インバランスを抑制。複数の発電所から複数拠点への自己託送にも対応する。

太陽光発電設備の開発では、時間帯ごとの需要量の解析と発電量シミュレーションをもとに、需要カーブに合う発電設備を提案。出光グループが、施工から導入後のアフターメンテナンスまでワンストップで対応する。