あすなろ建築工房(横浜市)は、高い躯体性能と意匠性を合致させた設計で評価が高い工務店。前半は細部まで描かれた緻密な図面をもとに効率的な管理で施工品質を保つ手法について、後半はその手法を生かした高性能住宅について関尾英隆氏に聞いた。
ポイント① 営業は社長が一手に引き受ける
◉同社は営業の専任者が不在で社長の関尾氏が営業を担当。社員は設計担当6人(メイン担当3人とパートのサブ担当3名)と現場監督2人。設計担当の1人は広報兼任。いずれは広報専任とする予定
◉営業の起点はYouTubeやInstagram。そこから問い合わせに誘導。限定公開の長尺物のセミナー動画6本を見てもらい、納得したら見学会やZoom面談に進む。面談では予算と引き渡し時期を明示する
◉現状は着工まで「1年半待ち」で価格は坪120万円程度。見込み客の想定より時間を要し、高額な場合が多い。この段階で見込み客を選別。着工時期と価格に納得した見込み客は打ち合わせに進む
◉打ち合わせ時期がきたら関尾氏が敷地調査をして条件を整理。対面で要望を聴き取る。間取りや暮らし方、内装に関する要望を細かく聞いてA3判の「諸室配置マップ」にまとめる
◉諸室配置マップに基づき大まかな居室などの配置と建物ボリュームを算定。仕様が標準化されているので予算の見当がつく。おおよそ予算内であればプランを作成。ここまでは関尾氏1人が担当
ポイント② プランは社内コンペで決める
◉諸室配置マップをもとに設計担当6名と関尾氏が1~2週間かけてプラン作成。プランを持ち寄り社内コンペを実施。関尾氏の案を採用することが多いが、採用案以外のアイデアも適宜取り入れる
➡見込み客には社内コンペを経て決まった1案を提出することが多い。甲乙付けがたいプランが出来た場合、2~3案出すこともある
◉建て主にプランの方向性について承認を得たら・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2023年2月28日発行)/設計施工を究める超家づくり術<超高性能編>』(P.36~)でご覧ください。
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