経済産業省・資源エネルギー庁は3月14日、「次世代の分散型電力システムに関する検討会」の中間取りまとめを公表した。この中で、使用範囲が限られていた家庭用蓄電池などの低圧リソースを2026年度から需給調整市場で活用できるよう、システム構築や制度改正を行う方針を示した。次世代の分散型電力システムの構築により一般家庭への蓄電池の導入がさらに進むと、同省庁では期待している。
従来、家庭用蓄電池やエネファームなどの低圧リソースは、需要規模に対して容量が小さい、変動が大きいといった理由から、需給調整市場に参画することが困難だとされてきた。そのため用途も自家消費や小売電気事業者の電力需要調整(DR)、災害時のレジリエンス対応などに限られていた。次世代の分散型電力システムでは数万単位の低圧リソースを束ねることで、需給調整市場への参画を可能とする。
検討項目のうち「低圧リソースの活用」では、需給調整市場を含めたさまざまな分野でのDR活用を検討。具体的にはエアコン、ヒートポンプ給湯器、蓄電池、EV充放電器などのDR対応化を進め、遠隔制御を可能とする。さらにこれらの「DR対応家電」を搭載した住宅を「DR Ready住宅」として普及させたい考え。
同検討会では他にも、▽EVと電力システムの統合▽改正省エネルギー法でのDRの推進▽需給調整市場での機器個別計測の適用▽配電分野における分散型エネルギーリソースの活用―などを検討している。
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