マーケティング・リサーチのアイシェア(東京都渋谷区)は、最近注目を集めている「2.5世帯住宅」について、そうした世帯に住む際につらい立場となるであろう「妻」にフォーカスしたインターネット調査を実施した。対象は既婚で小学生以下の子をもつ20〜45歳の女性431人。
「2.5世帯住宅」とは、子世帯と親世帯に加え(子世帯の)独身の兄弟姉妹が一緒に暮らす世帯のことで、典型的なパターンとして考えられるのは、夫の親+夫の独身の姉と一緒に同居する暮らし。2.5世帯住宅を購入する可能性がない対象者を省くため、「住宅購入意向あり」「夫の父親か母親いずれかが健在」「夫に独身の姉がいる」「夫の親との同居(生活空間を分けたものを含む)を検討してもいい」に該当する人を条件とした。
まず、2.5世帯住宅で夫の親と夫の独身の姉と同居することについてどう思うかを聞いた。「条件によっては、検討してもいいと思う」のいわゆるアリ派は86.1%(「検討してみてもいいと思う」42.5%、「条件によっては少し検討してみてもいいと思う」47.3%の合計)にのぼり、「条件によらず検討したくない」13.9%のナシ派を大きく上回った。
アリの理由として、景気の先行き不安や消費増税が関係しているか聞くと75.7%が「関係している」と答えた。夫の親や夫の姉からの資金協力がある前提で、近いうちに消費増税があることを踏まえて2.5世帯住宅の購入を検討したい気持ちに変化があるかを二者択一で聞いたところ、「検討したい気持ちが上がる」は73.9%。「検討したい気持ちが下がる」は26.1%だった。
アリ派に2.5世帯住宅で購入メリットがあると感じることを複数回答で聞いた。1位は「新築購入の費用を夫の親に協力してもらえるかもしれない」46.1%。「憧れの新築住宅が手に入る」43.7%、「夫の親に育児(送り迎えや留守番、教育)などの協力をしてもらえる」41.5%、「みんなで住むことによって光熱費やガス代、食事、インターネット通信費などを節約できる」41%と続き、経済的負担の軽減と子育て支援が上位を占めた。ただし、「夫の親に家事の協力をしてもらえる」は22.1%だったことから、育児には協力してもらいたい一方で、家事は親と分離したいという妻の考え方が明らかになった。
夫の親や夫の姉と同居することに対してはどう考えているかー。「夫の親や夫の姉と集まって住むことはいいことだと思う」の肯定派は80.6%(「そう思う」23.7%、「ややそう思う」56.9%の合計)で、否定派19.4%(「あまりそう思わない」16.7%、「そう思わない」2.7%の合計)を大きく上回った。さらに、「夫の親や夫の姉と同居することは子供にとっていいことだと思う」の肯定派は84.3%、「夫の親や夫の姉との同居生活は楽しいこともあると思う」の肯定派は83.6%と、8割以上が肯定派を占めた。「世間でよくある嫁姑問題は、あまり自分には関係ないと思う」に対しても肯定派は73.6%。周囲が思うほど嫁姑問題を重視していないという結果が得られた。
「夫の姉と自分との仲」についても、アリ派の87.1%が「仲が良い」と回答。年代別では20代で46.7%、30代で33.7%、40代で25.7%と妻の年齢が若いほど義姉との仲が良いと感じていた。
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