野原ホールディングス(東京都新宿区)は3月14日、建設業界従事者1000人に実施した独自調査の結果から「業界人の建設業界イメージ・課題」について発表した。建設業界で最も深刻な課題を聞いたところ、最も多かったのは「人材不足」(56.5%)で、「高齢化による技術継承」(43.6%)、「円安などによる建材・人件費の高騰」(30.8%)が続いた。上位2項目で約8割を占めており、事業規模に関わらず業界の課題として認識していることがわかる。
課題の解決方法として期待するものは、1位「建設ロボット」(37.7%)、2位「測量ドローン」(19.9%)、3位「VR・AR・MR」(18.5%)という結果となった。また、現実に導入が進んでいるのは、1位「建設ロボット」(20.1%)、2位「工事管理システム」(18.7%)、3位「VR・AR・MR」(14.5%)だった。ともに1位となった「建設ロボット」は、期待値は高いが現実的な導入には遅れを感じていることが推測できる。
また、大学生1000人に「建設業界でデジタル化が進んでいる分野」を聞いたところ、建設業界従事者が7位にあげた「BIM・CIM・CAD」がランク外となるなど、実際とギャップがあることがわかる。
建設業界のマイナスイメージについては、建設業界従事者が「若い人材が少ない」「残業・休日出勤が多い」「清潔感がない」、大学生が「残業・休日出勤が多い」「給料が低い」「清潔感がない」を上位にあげ、大きな差は見られなかった。同社は、「働き方や給与(待遇)」の改善が若手人材の確保に必要であり、業界の魅力につながるとしている。
建設業界従事者は、43.6%が「若い人材が少ない」と考えており、業種別では専門工事店(62.1%)、地方ゼネコン(57.0%)、サブコン(55.2%)と現場に近いほど実感、マイナスイメージが強くなっている。業種別では、大企業よりも中小企業が若手人材確保に苦労しており、給料の低さが影響していると考えられる。
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