本州最北の市・青森県むつ市の菊池組が手掛ける「超高性能住宅」は、軒ゼロのモダンな外観の事例が多いが、今回紹介する「Y邸」は切妻屋根を掛けて軒を出している。軒の出はあくまで意匠的な要素であり、冬の限られた日射を最大限取り入れた設計は変わらない。施工の手間を軽減するための、床上付加断熱の工夫もポイントだ。
ポイント① 客の要望で切妻屋根に
◉フラットルーフが多い同社では珍しい軒や庇、ケラバの出のある住宅。ファーストプランの段階で、フラットルーフと切妻屋根の2通りのかたちを提案したところ、顧客が切妻屋根の案を気に入ったため採用となった
◉最優先したい冬の日射取得を考えると、南も軒や庇はないほうがよく、そういう意味ではY邸も同社らしいデザインと言える。さらに、建物が西に40度近く振れているので、庇の日射遮蔽効果はあまりない
◉夏の日射遮蔽は軒や庇、外部のシェード等ではなく、室内側のハニカムスクリーンを設置して対処。室温がある程度上がらないと、エアコンによる除湿運転ができないため
ポイント② 床合板の上に付加断熱を施す
◉下部の断熱は「床上付加断熱」。大引間にネオマフォーム100㎜厚を充填とした上にネダレス合板28㎜厚を張り、さらにその上にスタイロフォーム30㎜厚と捨て張りの合板12㎜厚を敷いてフローリングを施工する
◉ネダレス合板の上全面に断熱材を敷くことで木部の熱橋も防げる。普段は、・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2023年2月28日発行)/設計施工を究める超家づくり術<超高性能編>』(P.30~)でご覧ください。
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