国土交通省は3月14日、今月28日に開催する「第10回建築BIM推進会議」に向けた環境整備部会をウェブ会議方式で開いた。この中で「建築BIMの将来像と工程表」(2019年9月公表)の改定やBIM導入に向けたモデル事業の事例集などについて最終検討を行った。
ロードマップの見直しでは、2028年度以降の将来に小規模を含む新築建築物のほぼすべてでBIMデータを活用した建築確認申請を行うことを目標に、BIM化に必要なデータやツールの整備工程とその年限をより具体的に記す。事例集では2021~22年度にかけて実施した「中小事業者BIM試行型モデル事業」などについて、浮かび上がった課題をキーワードごとに分け、導入時につまずきやすい事項について解決策を示す。
IFC・PDFデータ同時提出 25年度から
新たな「建築BIMの将来像と工程表」(ロードマップ)では、BIMデータから出力されたIFCデータ(3D)とPDF図面(2D)を同時に提出する「BIM図面審査」を2025年から開始し、2027年度に全国展開することを目指した。これにより審査期間の約3割を占める図面間の整合チェックが不要となり、審査期間の短縮が図れるようになる。さらに将来的にはIFCデータを審査に活用する「BIMデータ審査」を並行して行うなど、審査のさらなる効率化を追求する。
「BIMデータ審査」に向けた環境整備として、▽電子申請システム・ツールの整備▽確認申請用CDE(共通データ環境)の構築▽BIMデータ審査の検討―などを年度ごとに段階的に行う。維持管理・運用段階でのデジタル化として、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」や不動産IDとの連携を見据えたオープンデータ化の検討を行うほか、既存建築物のBIM化手法の開発も併せて行う。こうした議論を深めるため、2023年度に各部会の代表による「戦略WG」「標準化TF(タスクフォース)」「審査TF」を新設する。
「中小事業者BIM試行型モデル事業」の事例集では、単にモデル事業を紹介するだけでなく、導入ステップ5段階(知る/使う/使い続ける/他社と連携する/他産業と連携する)で生じた課題を事業者およびキーワードごとに分析・整理。一覧表に示すことで、導入を検討する事業者が自社に近い環境や課題を検索しやすくする。
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