いまニッチ市場として注目されているのが「超高性能住宅」だ。性能はもちろん、意匠性や暮らしやすさについても高水準が求められる超高性能住宅を手掛けるためには、施主の志向性を体現する「設計力」と、確実に性能を出す「施工力」の双方が必要になる。そこで本特集では、前号に引き続き、工務店の設計施工連携術と事例をあわせて紹介。ハイレベルな意匠性と性能を両立させた超高性能住宅を生み出す手法を解説する。
超高性能住宅の施工セオリーをいかに現場に伝えるか
◉超高性能住宅においては、外皮の多層化と開口部の強化により高性能・高耐久化が図られ、意匠を整える手法も変化している。さらに全館換気空調の導入により空間の上質化も図られている
➡現在の注文住宅に求められる「高意匠×高性能」の最前線に位置するのが超高性能住宅と言える
◉超高性能住宅を当たり前につくり上げて引渡すには、設計施工連携をより密にする必要がある。最初に取り組むべきなのは多層化により複雑になる各部の標準納まりを定めて、まとめることだ
◉標準納まりは大工などの職人への説明用としても使えるものとして作成する。図面中に使用する資材名称を書き込むほか、施工要領に関する説明も書き添えるようにする
◉難しいのは大工や関連する職方に上記の施工セオリーを伝えて、浸透させること。一般的なやり方としては、最初に1人の大工にいくつかの現場を通じてセオリーを教え込む
➡セオリーを習得した大工の下に別の大工を付けて、現場で実際の建物を触りながらセオリーを伝えていく
◉超高性能住宅の施工品質を保つには現場監督が重要。施工セオリーが従来と異なるため、職人頼みでは施工品質が保てない。部位の多層化により複数の職方が絡む取り合いが多く、段取りも重要だ
➡取り合いの処理も職人任せにはできない。断熱気密や防水、通気などに支障がないか。現場監督は各部に気を巡らす必要がある・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2023年2月28日発行)/設計施工を究める超家づくり術<超高性能編>』(P.16~)でご覧ください。
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