国土交通省は3月7日、「第1回地域価値を共創する不動産アワード」の受賞者を発表した。地域の様々な関係者と共創し、地域課題や社会課題の解決に取り組む不動産業者等を表彰する試みで、第1回目のアワード大賞には、神奈川県の鎌倉・逗子・葉山で活動するエンジョイワークスの「共感投資プラットフォーム『ハロー!RENOVATION』を活用した 空き家・遊休不動産の再生」が選ばれた。
同アワードは国交省が不動産業者・不動産管理業者等の取り組みを対象に表彰する初の試みとして創設。昨年秋に公募したところ97件の応募があり、選定委員会(委員長:中城康彦・明海大学不動産学部教授)の厳正な審査を経て、大賞のほか優秀賞6件、特別賞3件が選ばれた。
アワード大賞を受賞したエンジョイワークスは、地域住民や関係人口の共感・参加を軸に、地域特性を活かしつつ、地域の空き家や遊休不動産を利活用する事業の企画から運営まで関わることで課題解決できる参加型まちづくりプラットフォームを運営。必要な資金を地域住民や関係人口からクラウドファンディングで調達しつつ、地方公共団体と連携してふるさと納税や助成金の仕組みを活用。地域金融機関が地域活性につながる事業への融資や出資を積極的に行えるよう、新たな事業審査の仕組みを構築するための環境づくりなどに取り組むなど、継続的な事業を実現していることが評価された。
その他の優秀賞・特別賞受賞者は次の通り。
【低未利用不動産の有効活用部門】
暇と梅爺(東京都墨田区)「すみだ八島花文化創造区、創出のための老朽築古物件リノベマッチング事業」
【中心市街地・農村活性化部門】
まちづクリエイティブ(千葉県松戸市)「MAD City プロジェクト」
【居住・生活支援部門】
エステートイノウエ(岡山県倉敷市)「地域共生で笑顔になれる住まいの支援」
【安全・安心部門】
熊本県賃貸住宅経営者協会「被災者支援で感じた『競走』から『共創』への転換、そして一般社団設立による更なる活動の展開」
【イノベーション部門】
小田急バス・ブルースタジオ(東京都武蔵野市)「住居専用地域内バスターミナルのコミュニティーハブ化事業」
【担い手育成部門】
全国古家再生推進協議会「―『あなたの投資で社会が良くなる』―空き家(古家)の再生で『四方よしビジネス』を全国に広める活動」
【特別賞】
・ありあけ不動産ネット協同組合「有明圏域定住自立圏における空き家・空き地相談窓口運営及び、行政・企業・地域住民が連携した空き家予防啓発活動」
・三好不動産(福岡市)「誰一人取り残さない社会へ~『場の提供者』として地域に住まう方のお困りごと支援、 及びお困りの『場』へ学生ボランティアと共に赴き 災害復旧復興支援、こども食堂支援~」
・千島土地(大阪市)「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想~創造的なまちづくりへの挑戦~」
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