野村不動産ソリューションズ(東京都新宿区)は3月7日、不動産の購入検討者に実施した「住宅購入に関する意識調査(第24回)」の結果を発表した。有効回答数は2376人。今後の不動産価格がどうなると思うか聞いたところ、「上がると思う」は前回比0.1ポイント減の35.6%だった。近年、増加傾向にあった価格上昇予測のトレンドに変化がみられた。
不動産の売り時に関しては、増加傾向だった「売り時だと思う」が21.3%と前回比3.0ポイント減少。一方、減少傾向だった「どちらかかと言えば売り時だと思わない」が同3ポイント増の14.5%となり、売り時に関するトレンドが変化。売り時だと思う理由で最も多かったのは「不動産価格が上がった」で、「好条件での売却が期待できる」が続いた。ただ、「低金利で購入しやすい環境」が4.6ポイント減少、「今後の不動産価格が下がる」が4ポイント増加しており、今後の金利・価格の変動による動向を懸念する様子がうかがえる。
不動産の買い時に関しては、2011年7月の調査開始以来、初めて「買い時だと思わない」が52.5%と過半数超えとなった。買い時の理由として最も多かったのは、「住宅ローンの金利が上がると思われる(前回3位)」で、前回比14.4ポイント増加。2位は「住宅ローンの金利が低水準(前回1位)」で前回から10.7ポイント減少、3位は「不動産価格が上がると思われる(前回2位)」で11.4ポイント減少した。低金利での融資かつ物件価格の上昇前に買いたい傾向は変わらないが、金利上昇への懸念が強く感じられる結果となった。
近年普及が拡大している「キャッシュレス決済」について、住宅購入契約時の利用意向を確認したところ、「利用したいと思う」が35.1%、「機会があれば利用したい」が42.4%となり、現金の持ち運びに対する不安を解消する同サービスへの関心の高さがうかがえる。「非対面決済サービス」については、「利用したい」が18.8%、「機会があれば利用したいと思う」が39.4%で、「移動・決済手続きの時間」「日程調整不要」など時間を有効活用できることにメリットを感じていることがわかった。
また、近年国内で災害が数多く発生していることから、今回「防災意識」についても調査した。自宅の防災対策に「関心がある」と答えたのは86.5%で、自宅周辺で発生する可能性がある災害を「調べたことがある」は71.4%にのぼった。災害に対しての準備は、飲料水・食料などの備蓄は進んでいるものの、「避難先・経路の把握・確認」「災害用伝言サービス利用方法」については、準備が整っていない傾向がみられた。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。